フリッパーズギター「南へ急ごう」の元ネタを2曲みつけたよ/イージーリスニングと逃げ恥サントラ
バカラックの曲を聴いていて、これってフリッパーズギターの元ネタかなあと思われるものを偶然みつけたので紹介します。
フリッパーズギター「南へ急ごう」
原曲がわかったフリッパーズギターの曲がこちら。この曲についてかきますよ。
歌詞は特になくって、小山田がスキャットでダバダバ歌っている短い曲です。
歌詞がないので飽きずに聴けるし、今でもこれはずっと好きですね。
それでスキャットでダバダバしている曲、っていうのは数かぎりなくあると思うのですが、メロディーが似ていたので、これが元ネタかなあ、と思ったのが、こちらの曲です。
「南へ急ごう」元ネタ1 バート・バカラック
(・・・こ、これ、ロック?・・?)
ダバダバしているところのメロディーがちょっと似ていませんか。
これも全体がスキャットでダバダバしていて、歌詞は特にない曲です。
これは「明日に向かって撃て」のサウンドトラックで、テイク違いがいくつかあるみたい。
「明日に向かって撃て」は、1969年の映画です。
バート・バカラックの作曲で、バカラックの曲は美しいメロディーをしています。
音もあったかくて好きです。この時代の空気がそうだったのもあるのかもしれません。
パーフリは曲のサビっていうか良いメロディーをうまく拾って繰り返して短くまとめちゃってるから良さげに聞こえてしまうのですが・・・さすがにこれはバカラック師匠とは 格が違うと言わざるを得ないかも。
バカラックになくてパーフリにあるものを挙げるなら、「疾走感」と「若さ」かな。
そもそもイージーリスニングって?
iTunesではジャンルがロックになっていますが、バカラックも含め、こういう曲はたぶんジャンルとしては、「イージーリスニング」というのではないでしょうか。
古い音楽ですが、新しいとか古いとかの枠の外にあるような気がします。
イージーリスニングは割と好きなジャンルだったりするのですが、最近だと『逃げ恥』のサウンドトラックとかが(ダバダバは言ってるものはないですが)イージーリスニング的な音づくりをしていたかなと思います。
なので、『逃げ恥』はドラマの本編も良いのですが、オリジナルサウンドトラックも好きなんですよね。
TBS系 火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」オリジナル・サウンドトラック
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それで、サントラはパート2が出て、配信のみ『恋』のピアノバージョンと、ピアノ&ストリングスバージョンが収録されています。
<『恋』ピアノ>
< 『恋』ピアノ&ストリングスバージョン>
『恋』はテンポ早すぎてテンション上がる系なので、ゆったり聴きたい夜とかにはこういうのがあるとうれしいかも。
ピアノや弦楽器に管楽器と楽器をたくさん使っていて、モーツァルト系のクラッシックに近い感じがするのに、なぜこういう曲が「イージーリスニング」かというと、
ベートーヴェンやバッハなんかの「クラシック」に対して、もっと聴きやすくて軽い音楽、って言う意味で「イージーリスニング」(=軽音楽)と呼ばれるようになって、そのまま現在に至る、っていう感じのようです。
今「軽音楽」ってきいた時に思い浮かぶイメージとはちょっと違いますよね。
「南へ急ごう」元ネタ2 The Pale Fountains
続いて、フリッパーズギターの「南へ急ごう」の曲の「タイトル」(『southbound excurtion』)の元ネタかなあ、というのがこの曲です。
これはちゃんと歌詞がついていて、スキャットやダバダバ、ではありません。
'80年代の曲(1984年?)。これも当時のフリッパーズギターの二人が好きそうで、聴いていそうな曲です。
5年遅れですが、当時としては(日本に入って来るタイムラグを考えると)ほぼほぼ同時代な感じなのかな?
作者はペイル・ファウンテンズというネオアコースティック系(まさにパーフリの1st的な)グループで、バカラックの影響を受けているみたい。
それでタイトルの『southbound excurtion』ですが、
southbound excurtion というフレーズは、日本語にすると「南への遠足」みたいな感じになります。
しかしながら、ペイル・ファウンテンズの『southbound excurtion』という曲の歌詞を踏まえると、パーフリが自分の曲の日本語タイトルに付けた『南へ急ごう』の方が、歌詞の意味と近い感じになるのです。
さらに、ペイル・ファウンテンズの『southbound excurtion』とパーフリの『southbound excurtion』、iTunes,Appleのサイトに行ってみてみるとわかると思いますが、曲の長さがぴったり同じだったりします。2:31になっていませんか。
にやにやしますねえ。同じプレイリストに並べて入れて気づきました。
とにかくスキャットでダバダバしてるのはだいたい好きなので、パーフリ版『southbound excurtion』は今でも飽きていなくて、元ネタの曲は2つともなるほどって感じでした。
パーフリで音楽のルーツを知る
そして、パーフリ版『southbound excurtion』、バート・バカラックの『south american gataway』、ペイル・ファウンテンズの『southbound excurtion』
この3つの曲のタイトルは「south」という単語で繋がっていて、
パーフリの『southbound excurtion(南へ急ごう)』と元ネタ二曲とは、バカラックというルーツで繋がっている、ということになりそうです。
今だったらパクりだなんだ、特にバカラックをパクるとは不遜、とかなんとか、うるさく言われてしまいそうですが(当時も大人たちには言われてたかもしれない。今パーフリ聴くと、こいつらくっそなまいきだと思われて仕方ないわ、と思うし)
堂々とカバーしたわけではないものの、こっそりヒントが隠されているし、こんな感じで、元ネタを探して、良い曲を知る、音楽のつながりを知るっていうのも、フリッパーズギターの楽しみ方の一つだったりするのではないのかなと思います。・・・リアルタイムでは無理でしたが。
そして、そういうことができるアルバムを残していたのが、フリッパーズギターがほとんど一瞬しか存在しなかったのに、「伝説」のユニット(もともと5人でしたが)として永く親しまれている理由の一つかもしれないな、という気がします。
ただ、「元ネタ探し」は素人にはなかなか面倒だし大変だから、わたしは「たまたまみつかったら嬉しい」くらいにしています。
洋楽好きな人の方がこういう楽しみ方は得意そうだし、もうちょっと上の年代の人の方が詳しい人が多いかもですね。