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Mondo Grosso 「何度でも新しく生まれる」に感じるコーネリアス感

何度でも新しく生まれる

 

大沢伸一ソロプロジェクトMondo Grosso(なんか知った風に書いてみる)
Mondo Grossoも14年ぶりだそうです。(このジャケット素敵だ)


小沢健二といい、Corneliusといい、Mondo Grossoといい、坂本龍一といい、今年いろんな人が沈黙を破ってオリジナル作品を発表する不思議な年ですね。

2017年は。

 

Mondo Grossoの「何度でも新しく生まれる」なんですが、

このアルバムを一言で言うと、「大人の、大人による、大人のための音楽」かな。

いちおうJPOPになると思います。ちょっととんがったJPOP


日本語歌詞で、女性ボーカルがメイン。
歌詞はいろんな人が書いていて、バラエティに富んでるけど、基本的に大人がメイン。若い人が書いて、大沢伸一が手を入れたりもある。
曲もだいたい夜に聴くものだと思っているといいかも。

 

タイトルは「何度でも新しく生まれる」なのですが、

アルバムに全体的に漂っているのは、彷徨ってる感だったり、行き場がない感だったりが強いです。これがMondo Grossoの思い描く2017年なのでしょうか?

 

ある意味ぼくりりがEP「ディストピア」やアルバム「Noah's Ark」の前半で描いてるディストピア感を大人が表現するとこうなる、っていう感じが漂ってるアルバムとも言える。

無機質とエロティシズムの融合みたいなところもあります。

ただ、01「TIME」と02「春はトワに目覚める」はちょっと違う。

 (これは曲解説した後、最後に触れる)

 

大沢伸一小沢健二はほぼ同じ年(大沢伸一がちょっと上)だけど、小沢健二とは思い描いてる世界(世界の見方)がちょっと違うみたい。

 

ボーカリストUAとかbirdとかちょっと懐かしい人が歌ってたり、最近女優業がメインの満島ひかりが歌ってたり。
と思ったら齋藤飛鳥 (乃木坂46)なんて人もいたり、人選もバラエティ豊か。
90年代に音楽をよく聴いてた人なら、懐かしくも新しく感じるアルバムなのではないかと思います。

乃木坂の子とかも歌ってるし、おませな若い子が聴いてもいいよ。

 

気に入ってるのはやっぱり満島ひかりの歌う「ラビリンス」
歌詞は解説するのやぼなのでしません。一言でいうと「大人の現実逃避」

 (歌詞解説が必要なほど難しいこと言ってないですしね)

 

満島ひかりはもともと歌手だったし歌もいいのね。特に声が。

カルテットの主題歌で椎名林檎が書いた「おとなの掟」も好きだった。 

 

おとなの掟

おとなの掟

  • Doughnuts Hole
  • J-Pop
  • ¥250

この曲は転調するところがカタルシスあって好き。歌詞もね。

もう時期外れだけど後で書けたら書こうかな。


「おとなの掟」はボーカルが松たか子メインになってて満島ひかりのボーカルは抑えめだけど、カルテット本編のすずめちゃんのあどけなさと、エンディングの映像の大人っぽさのギャップがすごく好きだった。
すずめちゃん可愛かったな。

 

満島ひかりは、演技は結構ねっとりしてるし、前に中島みゆきの「ミルク32」を歌ってる(演じてる?)映像を見て

その時もやっぱりちょっとねっとりしてた。

それが中島みゆきの世界観とはまってたんだけど

で、「ラビリンス」は、「おとなの掟」とも、「ミルク32」の時ともちょっと違う。


この曲の満島ひかりの声は高音で結構伸びがある。
ラビリンスは色っぽい曲なんです。

満島ひかりの持つねっとり、を伸びがいい声で絶妙にさらっと伸ばして放物線を描いてすうっと飛ばしてくれる感じ。

それが気持ちいい。

 

ラビリンスは、最初に音聴いて、その後MVを見ました。

なので、曲の感じからもっと大人っぽいイメージを持ってたのですが、MV見たら衣装は結構子供ぽいのね。
オレンジボ色のボーダーTシャツと赤のハイウエストのパンツを黄色のサスペンダーで吊って。(アトムのウランちゃんみたい)


この格好で、上海あたりの街をコンテンポラリーダンスを踊り歩く。
ダンスもキレがいい。
すずめちゃんほんといろんな才能あるなあ。(じゃなくて満島ひかり

 

だから音だけ聴くのと、MV見ながら聴くのとでイメージ変わると思います。
音だけイヤホンで聴くとめちゃエロティックです。

 

 ラビリンスはエロティックです。(大事なので2回言いました)

 ただしエロティックでかつ清潔感を失わない絶妙なラインを突いてきてくれてます。

これを、ぼくのりりっくのぼうよみの「shadow」っていう曲と対にして聴くと面白いことになります。

 

piria.hatenablog.com

 

 

アルバム全体の話をすると、歌詞は書いた人それぞれなんだけど、世界観はどこかCorneliusと似たものを感じる。

基本電子音なのと、宇宙を思わせる言葉が多かったり、廃墟感、無人感がある曲が多かったり。人間がいない感じがそうなのかな。

それでCorneliusと違って意味のある歌詞が付いてるから、意味を考えちゃうと、こういう世界はさみしいな、と思っちゃう。

 

でもタイトルは「何度でも新しく生まれる」なんだよね。

01と02の歌詞は、そういう感じ。


ボーカルが入ってるからか音が控えめっていうか、
音だけ聴いた場合は、Corneliusの「Constellations Of Music」の方が音は豊かだな、って思ってしまいます。 

 

piria.hatenablog.com

 
その辺は好みかな。


JPOP好きな人は絶対こっちが好きだと思います。うん。

 

気になるのが、多分私だけだと思うけど、ボーカルじゃなくて電子音の方がキンキンするんです。だからちょっと頭痛い。

Corneliusのアルバム(「Constellations Of Music」)ではそうならなかったんですよね。

もしそうなる人はイヤホンで聴かないほうがいいかも。(ラビリンスはイヤホン推奨。キンキンしないし)

 

で、これから曲の寸評みたいなものをしていこうと思うんだけど、はてなブログの管理画面が重くて固まっちゃうので記事を分けます。

 

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