コーネリアスConstellations Of Musicを聴いています(各曲レビュー)
もうすぐコーネリアスの新譜が出るのに今更という感じもしなくはないですが、良かったので書きます。
最近の「おやすみソング」は坂本龍一の「async」か、このアルバムかどちらか。
「async」は瞑想にもおすすめ。
「Constellations Of Music」をイヤホンで聴きながら目を閉じると、なんとなくプラネタリウムにいる気分になれます。
そのプラネタリウムで澄んだ空気ときらめくような美しい音に囲まれてる感じ。
タイトルのConstellationsは星座、ジャケットデザインも黒に白ドットだけど夜と星ですよね。
寄せ集め集と思われてるかもしれませんが、新曲も数曲あって、ジャケットも含めて曲も全体的にきらめく夜空のイメージでまとまっているので、こういう雰囲気が好きなら気に入ると思います。
Corneliusにちょっと変化を感じたのが、「やさしくなったな」ということです。
わかりやすくなった、という意味ではなくて。
ちょっと人に寄り添って来たな、というか。
Cornelius(小山田圭吾)って、例えば「Music」のMVなんかを見ていて思うのですが、人間をばらばらに分解しても何とも思わなさそうなところがあって、ちょっと猟奇的なものを感じてしまう。そういうところが苦手。
私は声は楽器、と思っているところがあるし、多重録音とか大好物なので、Corneliusプロデュースの「salut × salut」も好き、なのですが、
「s(o)un(d)beams」あたりでは、好きな曲と嫌いな曲が極端に分かれました。
例えば「じぶんがいない」など、人間をモノとして扱っている、それを小山田という「神の手」が組立ててる、そういう人工物を聴かされているようで、ちょっとやめて、と思うときがあります。
そういう要素が、このアルバムにはなかったです。
全体的に聴いてて楽しい感じの曲が多いし。
Corneliusといえば電子音ですが、逆にサカナクションの「ミュージック」が、アコースティックギター使ってアレンジされていたり、珍しく小山田が歌唱している曲もあったりして、楽しめました。
唯一苦手だったのがPlastic Sex / The Endなのですが、これは存じ上げなかったのですが、Plastic Sexの中西俊夫さんが2016年にがんを公表して、2017年に亡くなっているんですね。
選曲もコーネリアス自身でやっているので、
そういう意味でこのアルバムに入れたのかなとか
(タイトルもTHE ENDだし、新譜に入る予定の「いつか/どこか」とかは聴いた感じ多分、死・終わりをテーマにしてる)
あと小山田と和光で学年違いのLITTLE CREATURESのカバーがあったり、
言葉に出さなくても、どういう曲を選んだのかだったり音だったりで、コーネリアスの心境の変化をちょっと感じられるアルバムではないかなと思っています。
個人的に気に入っているのはこんな感じ。
01. 大野由美子 / Escalator Step *新曲
インストゥルメンタル。聴いていると愉快な気分になれます。星空を眺めながらの夜のお散歩気分で夜のプラネタリウムへGO。
02.幽霊の気分で/坂本慎太郎
坂本慎太郎、幽霊って聞いて最初ちょっと苦手かもと思ってたのですが、音は透明感あって、意外と好きかも。幽霊の気分、っていうより透明人間になった気分で、さあどこ行こう?何しよう?って曲。
03 Heart Throbs And Apple Seeds/The Bird and Cornelius
この曲が一番プラネタリウム感満載かも。ウィスパーだけど弾むような女声ボーカルも心地よい。新曲の「いつか/どこか」と音の雰囲気が近い
05. Cornelius / Holiday Hymn *新曲
おそらくコーネリアスによる口笛とタンバリン、電子音に挟まれた木琴、トライアングルの音が楽しい。なぜかタンバリンの音が子供が叩いてるような素朴な感じでそこに妙な抜け感があります。
06. Korallreven / Try Anything Once (with Cornelius)
リミックスですが、小山田もコーラスで歌唱しています。
この中では一番リズム感あってノれる曲かも。
07. Cornelius / Night People
LITTLE CREATURESのカバーで全編小山田がメインボーカルを歌っています。
フリッパーズの頃と声変わっちゃったなって思うけど、最近歌ってるの珍しいから。でもボーカル部分よりコーラスとサウンド部分が好きかな。
08.Solalis
もとはペンギンカフェの曲。ピアノメインで弦、電子音や金管楽器が入って来る。最後の方波の音がサンプリングされてて、夜の海辺で星を眺めて寝転んでると思って聴いてる。
09. Eyes Wide Open (Cornelius Remix)/Gotye
結構好きかも。イヤホンで聴くと最初にチクタクいう音がおでこのあたりから聞こえるのが面白い。雨だれにも聞こえる。
(コーネリのリミックスのせいかもしれないけど、ちょっと声が生っぽいサカナクションみたいな?
きれいな高音が特徴のこのアルバムの中では重低音効いてる。
原曲はどんなだったちょっと聴いてみたくなりました。)
10. The End/Plastic sex
高笑いでThe ENDっていうのが「世界塔よ永遠に」を思い出す。申し訳ないけどこれだけは飛ばす。聴けるようになったら聴く予定。
11.ミュージック/サカナクション
こっちは逆にアコースティックにアレンジされてて、リズム感がなくなってるんだけどその分歌詞の哀愁がすっと入って来る。トライアングルとタンバリンかわいい。流れ星みたいな音と、鳥の鳴き声がサンプリングされてる。
12. Cornelius / Tokyo Twilight *新曲
これはインストです。ピアノ(あまり巧くない、でもそこがいい)と電子音で、夕暮れのふわっと広がる感じと、暗くなって星が見えて来てきらきらした感じを出しています。最後は宇宙に吸い込まれて行くような感じ。
04. salyu × salyu / Hammond Song
13. salyu x salyu / May You Always *新録
それぞれThe Roches、The McGuire Sistersのカバーで、これが聴きたかったのが目的でした。もちろん満足。
Hammond Songは、何となくだけどヨットに乗ってる気分になる。
May You Alwaysは、やっぱり夕暮れのビーチでゆったり沈む夕陽を眺めてる気分になる。
目当て以外の曲が良かったので余計良く感じたのかも。
とかいって、音なんて聴いてみないとわからないですよね。
これだけ新曲と新録が入っているので、Constellations Of Musicというコンセプトとしてももう十分成り立っているし、ただの寄せ集め集と思っていたらもったいないかなと思ってCorneliusがiTunesにはあまりないですね。
よかったらどうぞ。