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ぼくりりのアルバム「Noah’s Ark」歌詞の意味[予告編]編

Noah's Ark

ぼくりりの「ノアズアーク」も4曲目です。
ここで少し趣きが変わります。
曲調も軽快になっています。

 

歌い方もちょっとコミカルに歌唱しているところもあったり、面白い曲です。
ちなみに何人称か確認しておくと「僕」か「僕ら」

ぼくりりは「sub/oujective」で「いつしかすり変わる一人称から三人称へ」って歌っています。
これまでは「僕」という主人公を作っていたのが、この曲で「僕」は一応ぼくりり自身になっている
でも「僕」は、時々「僕ら」にすり替わっている、と思って聴いていきましょう。

試聴置いておきます。

予告編

予告編

 

 

決められた線路をごろごろ進んでく
与えられた役柄をこなすだけの毎日


ルーティーンな人生なんてまっぴらだと思っています。
この辺は表現は違うけどSuchmosが「THE KIDS」に託したメッセージと同じ。


生きるために生きる なんて退屈で意味が無い


何のために生きるのか、その理由がなければ、ただ息してるだけの「生きる」なんて退屈で意味がない、と思っています。

 

だから僕らキリがない 答え求め知りたがる
その先に何も無いと 実は気づきながら


だから何のために生きるのか考えてしまう。


主語は「僕」から「僕ら」に変わっています。

(「いつしか移り変わる一人称から三人称へ(sub/oujective)」)

 

sub/objective

sub/objective

 


自分で考えても答えはわからないから、答えを知りたがって例えば哲学書なんて読んでみるけど、哲学的に考えたって答えは出てこない。そんなことを薄々気づいてきたりします。


もう言葉の紡ぎ方も分からないよ 何を歌えば 何を歌えばいい?

歌が作れない時の生みの苦しみ。

 

「それすらも言葉にすればいい」皮肉的メタ構造

 

誰かに相談、またはぼくりりが自分自身への問いかけたら「それも歌にすればいい」って答えが返ってきて

 

意味不明な言葉に救われるの? 

 皮肉的メタ構造


そんな状態で出て来た言葉に救われるの人がいるの?って疑問に感じる。
自分の作っているメタ目線の歌に救われる人がいるとしたら、それは皮肉的な構造なんだとぼくりり本人は気づいている。


いっそ狂えたら楽になれるよ
こうして僕はまた勘違う

「在り処」で何がしかの精神的病理すら感じさせながら、現実には狂ってはいないことがわかります。
自分を見てる自分がいるなんて、何か異常なんじゃないか、と訊いてみたけど正常ですって診断されてしまって、
ああ、勘違いか、と、ほっとしたような、
でも病気だったらそれならその方が楽になれるような、ちょっと残念なような気分。

あるいは、自分の歌に救われる人がいるなんて、神になったようなつもりになってしまうけど、
それって勘違いだよね、っていう自覚。


訊いてばっかじゃ嫌われちゃうなあ
少しは自分で考えてみるよ

「訊いてばっかじゃ嫌われちゃうな」っていう歌詞には他人から見た自分を気にしている様子も見られます。

あの時の傷も役に立ちそうだ

「Shadow」で他人の目を気にして傷ついたり、「在り処」で愛を受けられなくて死にたいなんていいながら、その傷も役に立ちそうだ、と言っています。
結構たくましいです。(笑)




やあどうも
今回もまたダメでした
これは何周目なんだろう
繰り返しに頭をやられました

ここは謎に思う人が多いのでは。
(歌詞でfor What?ってなってるところ for Why?って聴こえるし)


昔からこの世界が誰かが脚本を書いてる映画みたいに思ってた

ですので、ここで言う「次回作」とは、
「誰かが脚本を書いている映画みたいなこの世界」の次回作
「これは何周目なんだろう」は輪廻転生を示唆。

そう考えるとタイトル「予告編」の意味がわかってくるのではないでしょうか。
つまりもうすぐ大洪水が始まってこの世界が終わり、次の世界が始まりますよ、準備はいいかい?っていう感じ。

巫山戯た言葉じゃ
かき消せない思いが
胸の中虚ろに響き渡り

「次回作にご期待ください!」なんてちょっとふざけてみたけど、
それだけじゃ消せない思いが残っている、つまり、自分は自分自身をポジティブだと思っているのにネガティブな歌詞を書くような、ぼくりりの自己矛盾とそれに対する疑問、揺らぎをちょっとこういうところにも感じます。

どうやらこの曲はぼくりり本人の心情とこのアルバムの主人公と、その両方に共通する目線とがころころ入れ替わる構造になっているようです。
さらにぼくりりには、ぼくりりと、キャラとしてのぼくりりを見ているメタぼくりりの2人が存在している。

意味わかるかな。
書いてて私もわかってるかわからなくなってきた。

曲も「予告編」なので、この辺りで今回は終わり。

次回「Water Boarding 」を書きます。 

Noah's Ark

Noah's Ark

 

 

 

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