mirayeeh!:音楽がきこえるブログ

見たもの、聞いたもの、考えたこと。音楽の話。

2度目の「アリスインワンダーランド」が教えてくれたこと

 


Alice in Wonderland - pp 19-20 +

「アリスインワンダーランド」地上波で放送していました。映画館で一度見ていたと思うのですが、もう一度見ることに。

一度目では見逃していたことがありました。

 

それは「自分の意志で人生を決めなさい」ということ。

 

映画の冒頭は、アリスが、あまり気乗りのしないパーティーに出かけるところから始まります。

そこでアリスを待っていたのは、貴族からの公開プロポーズ。パーティーの参加者全員が知っていて、知らないのはアリスだけ、というもので、当然「yes」と答えることが期待されています。

これはかなりのプレッシャーです。。

 

相手は身分の上では申し分のない男性ではあったのですが、混乱したアリスは考えさせて欲しいと言ってその場を離れ、木の穴に落ちて「ワンダーランド」に迷い込みます。

 

「ワンダーランド」はアリスが子供の頃よく見ていた夢の中の世界。液体を飲んで小さくなったり、ケーキを食べて、巨大になったり。よく夢で見ていた当時と同じことが起こりますが、「ワンダーランド」の中の不思議な住民たちは、そんなアリスの様子を見て「これは本当にあのアリスなのか」といぶかしがっています。

 

「本物のアリス」にしては何かが足りない、とみんなに思われているのです。

20歳になろうとする今のアリスには、子供の頃に持っていた何かが失われてしまっているということを示唆しているようです。

Alice in Wonderland by Arthur Rackham

 

「ワンダーランド」では、この時ある重要な日を迎えようとしていて、予言の書では、その日、アリスが重要な使命を果たすことになる、とが記されています。

それを聞かされた20歳のアリスは、「そんなことは自分にはできない」と考えます。

 

「ワンダーランド」の中でアリスは、流されるまま様々なことに巻き込まれて行きます。

最初はただ流れのままに事件に巻き込まれて行くことに腹を立てていたアリスでしたが、「ワンダーランド」のマッドハッターやチェシャ猫、青いいも虫、白の女王などさまざまな住民との交流やその言葉に影響を受け、徐々に自分の意志を持って行動するように変わっていきます。

その姿を見て、最初は疑っていた住民たちも「やっぱり本物のアリスだ」と認め始めます。

 

 


"Alice in Wonderland" by Arthur Rackham

ワンダーランドでの経験でを終えたアリスは、平和が訪れたこの世界に残ることもできるし、元の世界に戻ることもできるということを告げられます。

そしてアリスは、別れを惜しむ仲間たちを残して、元の世界に戻ることを選択します。

 

そして元の世界に戻ったアリスは、周囲の人々にこう告げます。

「自分の人生は自分で決めさせて」と。

 

予備知識なしで「ルイス・キャロル」原作のままのつもりで観たのですが、この映画が伝えたい一番大事なことは、「自分の意志で人生を決めなさい」ということではなかったかと思います。

 

映画の中で、アリスは2つの異なる世界で、異なる2つの役割をそれぞれ期待されていました。

そしてアリスはこの期待された役割に対して、それを果たすことを2つとも躊躇していました。

一つは、現実世界での「結婚」。もう一つは、「ワンダーランド」を支配する悪の魔物と戦い、勝利すること。

結果として、そのうちの1つの役割は受け入れ実行し、もう一つの役割については断るという選択をしています。

 

Alice in Wonderland - pp 7-8 +

 

周りがどんなに期待していたとしても、それが本人が自分の人生を決める上で意に沿わないことなのであれば、断ることは悪いことではない。とも言っているような気がします。

 

世の中、自分の意志ではどうにもならないことってたくさんありますよね。

あれとかこれとかそれとか・・・もう、いろいろ。

 

だからせめて自分の意思で決められることは、自分でちゃんと決めたいなと思いました。

一つ一つ丁寧に決断していくことができれば、そんな人に、道は開けていくのかもしれない、なんて。

 

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