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東京事変キラーチューンの歌詞って実はこんな意味かも(音楽へのリスペクトラブソング)

キラーチューン

2,3日前の記事で東京事変の「キラーチューン」の引用をしたけど、意味がわかりにくいところがあるかもな、って思ったのでその解説です。

  

piria.hatenablog.com

 

「キラーチューン」は好きな曲です。

(この曲CMになったことないんですね、意外。)

 

<ご覧ほらねわざと逢えたんだ><貴方は私の一生もの><私は貴方の一生もの>

っていうところがサビなので、ちょっとラブソング風に聴こえますよね。

でも、

<「贅沢は味方」>

とか、

<貧しさこそが敵>

っていう、ラブソングでは出て来ない歌詞があって、
ラブソングパートと、贅沢とか貧しさとか、そういうことを言っているパートが交互に切り替わる不思議な曲だな、って思っていました。


ラブソングっぽく聴こえる部分は、普通に意味がわかると思うので、今回はそうじゃない方の歌詞にちょっと焦点を当てたいと思います。

 

ちょっと聴いて思い出そう

 

キラーチューン

キラーチューン

  • provided courtesy of iTunes

 


「贅沢は味方」もっと欲しがります負けたって

勝ったってこの感度は揺るがないの

貧しさこそが敵

ここの歌詞、
「贅沢は味方」貧しさこそが敵
もちろん、お金があることが善、貧乏が敵、っていう意味じゃないですよね。


ここで言う贅沢っていうのはお金のことじゃくてどちらかというと心の豊かさのことかなと思います。
だから、たとえ負けても、心の豊かさ(贅沢)を選びます。


心の貧しさこそが敵でしょう、勝っても負けても、自分の心の感度は変わりません。

一種の決意表明かな。

 

贅沢するにはきっと財布だけじゃ足りないね

だって麗しいのはザラにないの

贅沢するには、お金だけあっても足りないね。
だってとびきり素敵なものには、滅多にお目にかかれないから。
お金さえあれば良いものが手に入るとは限らない。
そこは自分の目(感度)で見極めないとね。

洗脳(わな)にご注意

<洗脳(わな)にご注意>は、広告やブランド品、有名人がいいって言ってるものがいいものとは限らない、ちゃんと自分の目で確かめないと(そのためには見る目=感度を磨くこと)が大事、って言ってる感じ。

(音楽CDの紹介文なんかも、派手に書かれてるものほど試聴したら中身があれ?って思うこと多い)

 

で、ここから変わる。


ご覧、ほらねわざと逢えたんだ

貴方は私の一生もの

ここはラブソングパート。

ものを見る目から、人を見る目の話に変わっています。

 

贅沢するにはきっと妬まれなきゃいけないね

ちょっと芳(かぐわ)しいのを睨まないで 欲しがらないなら

何かに秀でた人が妬まれるのは宿命かもしれないね。
ちょっとかぐわしいの(目立つ才能)を睨まないで、欲しがらないなら。
って歌詞で言っています。

 

よく考えると<欲しがらないなら>が結構謎です。

妬みそうな人、って何かを欲しがってて、手に入らないから妬みそうじゃないですか。

欲しがらない人なら、妬みもなさそうです。

 

この<欲しがらないなら>は、どういう意味かというと
椎名林檎は<欲しがります>って言ってます。
何を欲しがるか、っていうと、贅沢。

それは、お金より心の豊かさ、っていう種類の贅沢です。
だから、「欲しがらない」は、心の豊かさ、っていう贅沢を大事にしない人。


つまり、本当の意味で貧しい人。

 

心が貧しい人はすぐ人を妬む、そういうのやめてくれないかしら

(なくならないかしら)
という意味かなと思います。

 

絶対美しいのは計れないの

溢れ出すから

この歌詞は、ものごとの価値をどう決めるかの物差しのこと。

絶対的に美しいものには点数がつけられない。
ただ圧倒されるだけになるから。

 


ご覧、険しい日本(ここ)で逢えたんだ

探し出してくれて有り難う

私は貴方の一生もの

ここはまたラブソングパートです。

 

でも<険しい日本>ってフレーズが気になって。

<空も恋も騙せないよ>

っていう歌詞もある。

で、タイトルは「キラーチューン」でしょう。

(キラーチューン、って一度聴いたら耳から離れないようなキャッチーなメロディのことかな)

だからラブソングって意味だけじゃいのではないかな、それと音楽のことがテーマとして一つはあるかなと思っていて、総合的に考えると、このパート含めて、椎名林檎の音楽に対する想いも描かれているのではないかなという気がします。

 

でもラブソングに見えた方がみんなに届きやすいからそうしている。

 (この曲が入ってるアルバムタイトルが「娯楽(バラエティ)」だし)

 

今日本で音楽をやっていくのは厳しい状況だけど(険しい日本で逢えたんだ)
そんな中で好きな音楽をやれている、ということに対する感謝。

(探し出してくれて有り難う)


重要なのは心の豊かさと、自分の感度に正直でいることで、
わたしはそういう生き方をしていたから、一生ものの運命(=音楽という仕事を一生続ける)を引き寄せることができたんだ、そのことに感謝します。

 

この曲にはそういう意味があるんじゃないかなと思いました。

 

だからキラーチューンっていう曲は、普通のかわいらしいラブソング、と考えるのもありだけど、椎名林檎は「音楽」と相思相愛の関係です、っていうリスペクトラブソングっていう意味もあるのかなっていう感じに思っていて。

なので、

贅沢するにはきっと妬まれなきゃいけないね

この「贅沢」は、今の日本の音楽業界で、自分が一緒にやりたいメンバーとやりたいと思う音楽ができている、ということを「贅沢」と言ってるのかな、という気もしています。

 

いま、今、って書いたけど、これ結構前の曲です。いつだったかな。

 10年前でした。本格的にCDが売れなくなってきた頃かも。

娯楽(バラエティ)

娯楽(バラエティ)

 

 

それから東京事変には閃光少女スポーツ)っていう曲があって、この曲もかなり好きなのですが、

ここでは椎名林檎はこうも言っています。

 

閃光少女

閃光少女

  • provided courtesy of iTunes

 写真機はいらないわ

五感を持っておいで

写真を撮るより、今日見た美しい風景は心に残そう。

だから、「キラーチューン」の貧しさこそが敵、っていうのも、感じる心を失ってしまうことを貧しさと言ってるのではないかな。

 

というわけなので、 

「贅沢は味方」もっと欲しがります負けたって

勝ったってこの感度は揺るがないの 貧しさこそが敵

キラーチューンの最初のここの歌詞も、ランキングや数字がどうであれ、わたしは自分の良いと思う音楽を自信をもって作ります。

(単純に売れ線を狙っただけの曲は作りません)

そして、人としての優しさ、痛みを感じる心を失うことこそがわたしの敵です。

この曲にはそういうメッセージがあるんじゃないかなと思っています。

 

それでずっと第一線で結果出し続けてるのが凄いなと思うんですよね、椎名林檎って言う人は。

こういう明るい、前向き、希望、っていう感じの曲を書くようになったり、オリンピック関連の仕事任されたりしてるけど、若い時はMVでナース服コスプレでガラス蹴り割ったり、MVでベンツ?燃やしたり、相当エキセントリックなことしてた不良娘だった頃が懐かしい。

その頃はその頃で椎名林檎をめちゃくちゃ良く聴いてたんですけど(無罪モラトリアム

とか)、今は大人になった椎名林檎の方が好きです。

 

で、元気が出るし、「キラーチューン」のギターがぎゅいんぎゅいんする感じが好きなのと、「閃光少女」の

<今日いまを最高値で通過していこうよ>

ってところが好きで、わたしはこの2曲はiPodの朝のプレイリストに入れて聴いています。

 

 

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