mirayeeh!:音楽がきこえるブログ

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米ピッチフォークでcorneliusがベストニュートラックになったのでレビューを読む1(海外における渋谷系の評価)

Mellow Waves

アメリカのピッチフォークという音楽レビューサイトで、コーネリアスの「あなたがいるなら」がベストニュートラックに選ばれていました。

(割と影響力のあるメディアらしいです)

 

そのレビュー読んだ。

そして、ほぼ同じ感想で驚いた。

というか、思ってたけど、うまく書けなかったことが書かれてる。

 

piria.hatenablog.com

 (これが、わたしが以前書いたつたない感想)


ピッチフォークに取り上げられてる日本人ほとんどいないみたいです。
latest(最新)みたら、コーネリアス以外だと、坂本龍一と、tofubeatsがいたかな。

坂本龍一はともかく、tofubeats みつけてびっくりした。

(ちなみにKenji Ozawaのレビューはないみたい。Corneliusのレビューの中に名前がちょっと出てくるだけ)

それで、tofubeatsの「FANTASY CLUB」が結構評価されてたんです。今年のJpopの中でベストな一枚の一つだろうって。7.6点。

(しかしJPOPは今年のベストが7点台だってよ。)

 

FANTASY CLUB

FANTASY CLUB

 

 

「BABY」が好きですね。

(超シンプルなラブソングがこのアルバムのハイライトbyピッチフォーク)

BABY

BABY

 これはユーミンなの?

ピッチフォークで、この曲は日本のポップスターYumi Matsutoyaがどうの〜、って書いてたんだけど(ごめん今これは流し読み)


それと、Shinichi Atobeという謎の日本人のアルバム「From The Heart, It's A Start, A Work Of Art」が高評価で驚いたんだけど、この人知らなかったです。
amazonで見たら輸入盤扱いになってて、海外からリリースされてるみたいなんです。

 坂本龍一の「async」と同じくらいの高得点だった。

Regret

Regret

  • Shinichi Atobe
  • エレクトロニック
  • ¥250

 

気になる。。。

(ピッチフォークでもミステリアスジャパニーズプロデューサーって書かれてる。)

 

日本人でも実験音楽電子音楽は取り上げられやすいみたいです。

それと、インディーズは扱ってないみたいで、ceroとかSuchmosはいなかった。

(この辺聴いてからJPOPのベスト決めてほしいわ。海外からみたらここも全部JPOPなんだろうから)

 

「あなたがいるなら」(If you're here)のレビュー引用しつつちょっとお話させてください。

(ルール違反になるといけないから全部は和訳しない) 

 

pitchfork.com

コーネリアスOyamadaは近年忙しく、しかし裏方の仕事に満足していたようだ、というところからの、新作発表。という話の流れ。

Yet “If You’re Here” doesn’t resemble the musical Rube Goldberg machines Oyamada constructed for his last two albums.  

 対訳

しかし、「あなたがいるなら」は、「ルーブ・ゴールドバーグ・マシン」のような彼の最近の2枚のアルバムとは似ていない。

 

2枚のアルバムは、「Point」「Sensuous」でしょう。最近、っていっても。

攻殻機動隊 新劇場版 O.S.T.music by Cornelius」「攻殻機動隊ARISE O.S.T.」とか「

Constellations Of Music」は除外みたい。

 どっちもコーネリアス小山田は、音楽の影に隠れてるから。

 

ルーブ・ゴールドバーグ・マシンは、からくりおもちゃ、みたいな意味なんだけど、機械的なものごとへの批判的な意味も含まれます。
詳しくはぐぐって。

 

ピッチフォークは、「Fantasma」は高く評価してるんですけど

 

FANTASMA

FANTASMA

 

 (2016年にベストニューリイシューに選んでる)

 

point」「Sensuous」は「これもいいけど、(Fantasmaに比べると)まあまあ」って評価。

pitchfork.com

コーネリアスのことは「ジャパニーズクレイジーアーティスト」って呼んでます。
Fantasma」のレビューもすごい面白くて。渋谷系の流れから解説してて、それがいちいち的確だった。(渋谷系が渋谷のレコード店で売れる曲、アーティストっていう定義もあってる)

 

フリッパーズギターのことも書いてあって、その言われ方にもう笑うしかなかった。

 

「(欧米の様々な音楽の)メロディーを卸し売りする傾向があったにもかかわらず、彼ら(フリッパーズギター)は日本の音楽の良心に数多くの新しい音を送り込んだ。」

 

google先生が訳してくれた欧米のメロディーの「卸売り」っていう日本語が面白かったのでそのまま載せる。

にもかかわらず「日本の音楽の良心に新しい音を送り込んだ」って、カタコトながら的確すぎて。


(メロディーが「卸売り」だったのに「日本の音楽の良心」に訴えたのはアレンジとリリックが良かったってことでしょう)

 

アメリカでは「Fantasma」が去年再発になったようです。ボーナストラック付で。

それについてのレビュー。

「2016年の日本の音楽シーンではアーティストは非常に定形化された音楽しか作らなくなる強い流れがある(意訳)(その中で)"渋谷系"の精神とプロセスをその純粋な本質にまで引き出した「Fantasma」、それを聴くことでもたらされる喜びと興奮は今も変わらない(意訳)」

 

的確過ぎてひざ叩きまくった。

Fantasma」は渋谷系の純粋なエッセンスを引き出した作品、っていうのも。

Fantasma」は渋谷系、ってくくりじゃないちょっと別なものって考えてたんだけど、海外の人から見たらそうなのかもしれない。っていう発見。

 

それで、ピッチフォークさんは、「90年代半ばに日本のポップカルチャーは興隆を極め、渋谷系の音楽は、ポケモンほどではないけど、主にピチカートとファンタスティックプラスティックマシーンが海外でも受け入れられた」って書いてるんです。


ホントですか。渋谷系って日本人でも知らない人いるから、まさか海外の人にそんなに知られてると思わなかったです。

ただ、中東のあたりのとある国のホテルにいたとき、ファンタスティックプラスティックマシーンの曲が流れてて、FPMってこんなとこで流れるの?パクリなの?って思ったことあったんです。

じゃあ、あれ多分本物だったんだ、ってこんなとこで知る。

 

 これに入ってる曲だった。「LUXURY

LUXURY

LUXURY

 

 

 あなたがいるなら、のレビューの話。

 

 

ここ 訳してみる

Many of the details pick up where Sensuous left off,from the warm synthesizer notes to the soft drum clips, to his love of accentuating his lyrics with, instrumentals that mimic their meaning (when he sings the Japanese word for “nervous heartbeat” a sudden cymbal crash mirrors the phrase perfectly).

 

Sensousとの違いをいくつか挙げる。暖かいシンセサイザー・ノートや柔らかいドラム・クリップ、愛を強調するリリック、その意味をなぞる楽器(日本語で彼が"どき どき"と歌うと、突然シンバルが鳴り、その意味を完璧に再現する)

 

そうそう、言葉と音が一体になってるんだよね。この曲は。

さすが本場アメリカのプロはうまいこというわ。

「どきどき」は “nervous heartbeat”って表現してるみたいでこれも面白いですね。

でも、「どきどき」っていうオノマトペは英語では表現できないよね、多分。だから意味だけとっている。

 

読むの大変ですよね?ちょっと記事分けます。

 

Mellow Waves

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