Wanted!Wanted!(僕やり主題歌)詞の意味わかる?/Mrs.GreenAppleの学校に行かない選択
Mrs.Green AppleのWanteD! WanteD!
この曲は「僕たちがやりました」っていうドラマの主題歌です。
ドラマの方は、窪田正孝主演で高校生が逃げる話。
(1回目見て、見るのやめちゃったのでざっくりした説明ですみません。)
Mrs.GreenAppleのWanted!Wanted!感想
試聴した時ちょっと転調したところが気になっていたので、フルで聴きました。
そして感想。・・・ブレないねー。
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作詞作曲しているのが大森元貴くんという20歳の男の子なのですが、まだ若いのに、老成しているというか、達観しているというか、人生何回目ですか? 中に入ってるのおじいちゃんじゃないんですか?っていう感じの歌詞を高校生の時から書いています。
でも曲はロックだし、感性は若いし(大人もディスってくれるし)で、常識がひっくり返る。
歌も歌えて、それも色々な歌い方ができるし、歌詞だけかと思ったら曲も作ってる。
高校生でメジャーデビューしているのですが、この子の場合「天才」っていう売り方をしていないと思います。(わたしが知る限り)
でも、どっちかっていうと「天才」っていう肩書きが似合う気がするなあ。
努力の人であるのもわかったけど。(後述)
歌詞の意味は?
これはどういう歌かっていうと、
WANTED! WANTED!
僕らは逃げている
WANTED! WANTED!
妬む心から
あの子は馬鹿で
スラスラ生きれている
「月が綺麗だ」
幸せの形を
これは2番の歌詞。 ドラマの世界観(まずいことやってしまって物理的に逃げてる)と絡めて、心理的に逃げていることに話題を変えて、本来伝えたいことを歌にしているようです。
(1番の歌詞はもうちょっとドラマ寄り、というかこの曲はどこからどこまで1番かよくわからない・・・)
ここは2つに切ったほうがよさそう。
意味不明っぽい後半を解説します。
「月が綺麗だ」幸せの形を
この「月が奇麗だ」は、かぎかっこで括ってるから、夏目漱石の引用かなと思うんです。
夏目漱石が「 I Love You 」を日本語に訳す時に「月が奇麗ですね」って訳したっていう話。
だからここの「月が綺麗だ」は「 I Love You 」に変換すると意味がわかりやすいかなと思います。
Mrs.GreenAppleの大森元貴の「学校に行かない選択」
それで、こういう歌詞が若くしてかける大森元貴という彼は相当賢い人なんだろうな、と思うのですが、勉強は嫌いらしいんです。
とにかく音楽をやる、ということは早く決めていて、 学校もあんまり行かなかった。高校は通信制。
その割に「庶幾」とか勉強が嫌いっていう子が出会わないであろう難解な言葉を、意味をわかって使っているし、
(わたしなんかこの子たちの歌聴くまで読み方もわからなかった)今回みたいな「月が奇麗」ていう夏目漱石の引用したり、無常をうたったり「愛」に気づこう、とか歌うし、謎が多すぎるなあって思って、ちょうど2万字インタビューが出たので読んだのですが、履歴書的なことはなんとなくわかったのですが、わたしが感じた謎は解けませんでした。
2万字もあったらもうちょっと突っ込んだこと聞けそうなのにね。なんかもったいない。
ただ、学校に行かなくなった、というより、行けなくなったらしくて、それは学校に行けなくなったのか、音楽やるって決めたから学校に行かなくなったのかは今考えるとよくわからない。
っていう話をしていて、学校に行けなくなっちゃった子は、何か学校と関係ないところでを何か好きなことを追求してみるのはいいなって思いました。
学校が全てじゃない
学校に行かないといけない時期は「学校が全ての世界」って思って追いつめられちゃうことがあるけど、そうじゃないからね。人生80年くらいあるし。学校に行く時間なんて、その中のほんの数年のことだし。
(そういえば星野源も学校行けなくなっちゃったんだっけ)
ただ、この子の場合は自分に一番合ってるのは音楽、それに学校は必要ないって気づくのがものすごく早いし、だから学校っていう選択肢を意識的に切り捨てもするし、家族やまわりも納得させる、というところがまたちょっと特殊能力、っていう感じはするんだけど・・・。
I don't wanna do... 愛の罠よ
まぁ I don’t care
ここ先に歌詞見ちゃったからそう聞こえちゃうけど、<愛の罠よ>のところは見なかったら英語に空耳できそう。
するとしたらI don't wanna you辺りかなあ。
こういう言葉遊びもあります。
何かのせいにして
遊べるのは今だけなんだ
焦らなくていい?
少しずつ気づいてゆけばいい?
サビはシャウトしてるけど、ここは突然歌い方を変えてきます。
音もここだけ楽器が抑えめになってテンポも変わって、ドラムはそのまま、鐘の音と、鈴?鉄琴?が入ったりして、おもちゃの兵隊が行進しているみたいな感じ。
1番にこういう歌い方をしてるところはないです。
結びの歌詞がこうです。
WANTED! WANTED!
僕らは生きている
WANTED! WANTED!
間違いながらも
逃げるのに慣れて
【愛】に気づけなくなっている
いつか綺麗な
大人になれるかな
彼ら一貫して「愛に気づけ」って歌っているんですが
(ここでも【愛】って強いかっこで括ってるし)
<いつか綺麗な大人になれるかな>っていうところは
「月が奇麗ですね」=「 I Love You」
って脳内変換すると、ここは、いつか愛に気づける大人になれるかな、っていう感じになりそう。
・・・夏目漱石の訳した「 I Love You」の「愛」とミセスグリーンアップルがここで言いたい「愛」は厳密にいうと意味合いが違うかもしれないけど、愛は愛なので、こまかいことは気にしない。
序盤、中盤は結構毒を吐いていますが、最後はこんな感じできれいに終わります。
それに、<「月が奇麗だ」>ってフレーズを序盤に出しておいて、最後に<いつか奇麗な大人になれるかな>っていうふうに回収しています。
うまい。
sumikaのsummer vacationでも<温いアイスティー>を最後に<温いくらいの温度で僕らは>って人間関係に置き換えてるんですが、これって一種のテクニックなのかな。
ボーカルレッスンには通ったらしいのですが、作詞レッスンとかもあるのでしょうか。
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シングルに3曲入っていて、もう1曲もタイアップで、そっちもハイテンションなロックです。
ハイテンションな曲が2曲続くのですが、最後の3曲目に「光のうた」っていう穏やかでやさしい曲が入っています。
3曲目は音も歌も癒し系なので、テンション高ーって思っても3曲目でクールダウンできる感じでした。
2017.10.14追記
「僕たちがやりました」は以下で見逃し配信してます。(最初の31日は無料です)
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sumikaのSummerVacation(アルバムFamilia)を聴いています。(歌詞解説)
夏だから夏っぽい歌紹介しよう、ってことでsumikaのsummer vacationっていう曲が今年好きなのでこの曲を紹介します。
このアルバムに入っています。
sumika / Summer Vacation【MUSIC VIDEO】
オーディオテクニカの協賛で作られたビデオです。
女の子がつけてるのこれかな。
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音、歌詞、コーラス、声、全部が渾然一体になってて一つの世界が出来てる感じ。
ceroのsummer soulも夏、湿気のある感じっていうのがよく出てるので、夏の夕方に合うけど、それと似た雰囲気の音。
sumikaのsummer vacationも同じく夏の夕方から夜の時間で温度湿度のある曲なのですが、ceroのsummer soulにはない成分があります。
summer soulは、あの子を置いて一人きりハンドル握って出かけちゃうんですが(つまりちょっとひとりになりたい男の歌)
sumikaのsummer vacationは、音や情景描写の雰囲気は近いのですが、それに距離が限りなく近い片思い、という人間関係が加わっています。
だから、近いのにこれ以上近づけないみたいな、切ない成分がプラスされている感じ。
<心地いい熱さ残るアスファルト>とか<温いアイスティー>とか<灯る街灯が夜を始めた>とか
夏の夕方の、日が落ちて涼しくなりそうだけど、蓄熱したアスファルトのせいで、まだ暑さから解放されそうでされない、もわっとしたけだるい感じと
<熱帯びたのは君のせいだからさ>っていう歌詞に出て来る煮え切らない男女の関係が絶妙にリンクしています。
(あと、製氷した氷を転がすようなゴロゴロ?ガラガラ?って音とか聞こえるのもいいし、ギターがぽわん・ぽわん・ぽわんって聞こえるのもいい)
iPodに入れて夕方から夜にかけてちょっと外を歩いた時に、これ聴いてみたのですが、夏の夕方の涼しくなりそうでならない空気感と、温度と湿度と、聞こえて来る声と音が合わさって、妙にもうね、なんともいえない気分になります。
特に今の季節に、日が落ちたけどまだ暑いな、って時に外で聴くのがおすすめ。
(花火大会的な楽しみ方)
何かの感情を呼び起こすような歌・声って最近探さないとなかなかないような気がします。
(コーネリアス聴いてそうなった時はびっくりしたけど)
ライブ映像のちょっとだしなんですけど
sumika ライブ【SWEET LOVE SHOWER 2017】
心地良いはずさ
最初はこう言ってるんですけどだんだんこうなっちゃう。
狂おしいはずさ
君は言ったんだ
付き合ったらさ
「楽しいかもね」
これぞ小悪魔系女子に振り回されるの図。
(<君は言ったんだ 付き合ったらさ 「楽しいかもね」 >のところ、ちょっと高いところにのって、お客さんに向かって歌ってます。)
曲の冒頭に女の子の声で「さまーばけーしょん」って入ってるのですが、最初、これ、いるかな?って思ってたのですが、これが小悪魔感を増してるのかも。
この(歌う人)声もいいし、歌う人が歌詞を書いてるのですが、歌詞だけじゃなくて、歌い方にも、感情をのせてます。
例えばこの辺なんですけど
温いアイスティー
飲めば帰るだろ
僕は飲めなかった
喫茶店かどこかにいて、注文したアイスティーがもう温くなってるんだけど、飲んだら相手が帰っちゃいそうで、飲めなかった、っていう場面かなと思うんですが、
まず、歌詞でいうと、<飲めば帰るだろ>ってちょっと苛立ちが入ってると思うんです。
だって、相手は、付き合ったら「楽しいかもね」って言っておいて、お茶したらすぐ帰っちゃいそうな雰囲気醸し出してて、主人公はそれを察してる。だから<狂おしいはずさ>ってなる。
<温いアイスティー>は裏声で、その後の<飲めば帰るだろ>でちょっといらっとしても、次の<僕は飲めなかった>でちょっと弱気になる。
なぜかというと
会いたい気持ちは
昼の陽溜まりに
落として忘れて
ほら、また愛しい
< 愛しい>はかなしい、って読ませてます。
会いたいんだけど、会いたいときに会えない、けど「僕」は会いたい。
会いたい気持ちは
昼の陽溜まりに
置き忘れたフリして
ほら、また寂しいだけだ
だから、友だちの振りしてるけど、その関係を壊したくないからそういうことは言えない感じ。
今会ってる時間が終わったら、また会いたくても会えない時間が待ってる。
それがまた寂しさを増長させちゃう。
っていうのをリリカルに表現してる。
<ほら、また寂しいだけだ>って言ってるので、それ繰り返してるみたいです。
この辺りの歌詞や歌い方に、行き場のない、やり場のない気持ち、それに、ほんのちょっとの苛立ちっていうのがプラスされて、ことばに音とコーラスが絡み合ってやるせない感じになります。
それを夏の夕方に温い気温と湿気とアスファルトにこもった熱を感じながら聴いた時この曲の良さがすごくわかりました。
コーラスもバンドメンバーでやってるのですが、すごいハモりです。このハモりの気持ち良さも他ではなかなか聴けないと思う。
音と歌詞と声とが渾然一体となってこの世界観を作っていて、聴いててこの世界にしばらく浸っていたくなってしまうので、この歌の主人公もこの「温さ」から抜けられないんだろうなっていうのがよくわかる曲です。
(そういう意味でMondoGrosso(満島ひかり)の「ラビリンス」みたいでもある)
ことばの印象で言うと、最初の<温いアイスティー>っていう飲み物の温度が、最後の<温い感じの温度で僕らは>っていう人間関係の温度に掛かっているので、通して聴くと、この「温い」ってことばの持つ印象で曲全体が包まれる感じになります。
曲がceroっぽいって書いたけど、こういう曲調はこのバンドとしては珍しいみたい。わたしはむしろこういう感じが好きなので、今後sumikaの歌でこの路線の曲をもっと聴いてみたいです。
この曲の場面は、夜だけど、アルバムは全体的には割と朝っていう感じの曲が多いかも。
爽やかロックな感じ、ファンクな感じ、ポップな感じ、星野源の『恋』的なキラキラしした音、バラード・・・ってかなり色々なフレーバーが詰まっているアルバムです。
聴く人によって、好きな曲が違いそうだけど、それぞれ気に入る曲がありそうな感じ。
【2017/7/12発売】sumika /「Familia」全曲試聴 Trailer
あと、単純に皆さん楽しそう。
折をみて他の曲も解説するかも。